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目黒レポート
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鍵山秀三郎さんと越智直正さんのお話に同席させていただきました。
当日の対談模様をお届けします(掲載をお二人に快諾していただきました)。

イエローハットにて
2004年1月16日 株式会社イエローハット本社にて(東京都目黒区)


越智さん
(高橋が)鍵山さん鍵山さんって、会いたがって仕方ないので連れて来たんですよ。
鍵山さん
そうですか。さぶろう塾はどういうことをするのですか。
高橋
人を育てたいのです。公のための判断ができ、それに基づいた行動がとれ、 越智社長のような方に対しても諫言すべき時は諫言し、ミスをしたら潔く認め対処に全力投球する。 そんな人間が今必要だと思うのです。
鍵山さん
そうですか。それは今の日本に本当に必要なことですよ。
越智さん
うん、必要ですね。
鍵山さん
最近、宮本輝さんの本を読みましてね。ちょうどいいかもしれないので・・・
これです。約束の冬という本なのですが、あとがきに素晴らしいことが書いてあるのです。


---略---

私は日本という国の民度がひどく低下していると感じる幾つかの具体的な事例に遭遇することがあった。 民度の低下とは、言い換えれば「おとなの幼稚化」ということになるかもしれない。

---略---

文藝春秋「約束の冬」宮本輝著


鍵山さん
こういうことなのです。
越智さん
言えてますね。


鍵山さん
日本はダメな方向に進んでいます。
越智さん
本当にプライドがなくなってしまいました。儲かれば何でもやるという風潮ですよ。
鍵山さん
大手商社がパチンコ屋をやる時代ですからね。
越智さん
靴下業界でも国内産業を守ると約束してくれた会社が、掌を返したように 国内の下請け会社を切り始めています。
鍵山さん
ひどいですね。
越智さん
我々だけでも国内を守ろうと約束したのです。これで僕一人しかいません。 一人でも守ってみせますよ。


鍵山さん
あるメーカーが莫大な利益をあげたと騒いでますが、下請けが赤字でどれだけ泣いているかには触れないのです。 (協力会社を含めた)トータルでみたら大赤字ではないのでしょうか。そんな会社のトップが日本の経済界の中心的立場に居るのですよ。
越智さん
なるほど。
鍵山さん
景気が底をうったというのはウソですね。それに有名な生産管理システムは人を破壊しますよ。 あんな環境で希望を持って仕事が出来るとは思えません。
越智さん
景気のせいにしても何も解決しないのです。
鍵山さん
一部の大企業だけが良くなっているだけですね。それを見てすぐマネをするところが出てきます。 ただ儲けたもの勝ちみたいになってしまいました。
越智さん
本当にそうです。


鍵山さん
こうなってくると、人間は強盗みたいな事をしないと生き残れなくなってしまいます。
越智さん
そうなりますね。
鍵山さん
最近当社に金融業界から転職してきた人が入社したので、何故辞めたのか聞いてみました。 すると、お客さんが損する事が分かっている商品を売って来い、と指示されるのだそうです。 良心の呵責に耐え切れなくなって、辞めてしまったんですね。
越智さん
そりゃひどい話です。
鍵山さん
とんでもない国になりつつあります。


鍵山さん
日本特有の伝統産業もなくなってきてしまいました。こんな話があります。 漆だとばかり思っていたら、漆のように見えるプラスチックだったものもあるのです。 この国は、人を騙す技術ばかりに長けてしまいました。
越智さん
靴下にもブランドマークがついているのがあります。これはマークを借りているだけなんです。 マークのために150円も払っているんです。
鍵山さん
そうでしたか。
越智さん
お客さんは、そのブランド会社が製造してると思っているんですね。 何のことはない、安い靴下にマークつけて高く売っているだけなのです。
鍵山さん
それはひどい。


越智さん
そんな詐欺みたいな商売をしていても、大企業なら倒産しても再生法というので生き残れるのです。 中小企業だったら負債何千万でも助けてもらえないから、潰れるしかないんです。
鍵山さん
あの流通大企業に対する債権放棄の額があれば、どれだけの会社が助かることでしょう。
越智さん
再生法をうけた会社は生き残って、逆にその会社のために今まで頑張ってきた、 下請けが巻き込まれてヒーヒー言ってますから。なんとか救済できないものかと思うのです。
鍵山さん
銀行も自分の意思では、何も出来なくなってしまったのではないのでしょうか。 何かあれば、不良債権がどうだ、自己資本がどうだということになってしまいます。 監督下に入ってしまっていますから、お役所が経営しているようなものですね。
越智さん
それが現実ですか。


鍵山さん
このままなら、刑務所を増やして二倍にしても足りなくなってしまいますよ。 さっきお話したあるメーカーの傘下に入っていたら、搾りとられるだけ取られてお終いです。もう犯罪に走るしかない。
越智さん
先日鹿児島に行ってタクシーに乗りました。名経営者と言われる人の会社をクビになったそうです。 今さら出来ることは運転手しかないと言っていました。
鍵山さん
そこの系列会社の社長は、個人資産を出すように言われたそうです。
越智さん
それは酷い話ですね。
鍵山さん
普通なら情でできないことを、冷酷にやったというだけです。 今の時代、冷酷ならば名経営者になれるようですね。


鍵山さん
これからは、将来を信じ地道に行いを積み重ねるしかありません。
高橋
遠きを図るとは、そういうことでしょうか。
鍵山さん
そうです。あなたのような若い人が、志を持って立ち上がってくれたことは本当に嬉しいことです。 私の空いている時間を確認して、また訪ねてらっしゃい。
高橋
はい、ありがとうございます。
鍵山さん
結局はどれだけ痩せ我慢ができるかですよ。
越智さん
痩せ我慢なら鍵山さんに勝てませんね。
鍵山さん
それと立花隆さんがこう言ってました。「悪戦苦闘に立ち上がる能力が最も大切である」。


越智さん
長時間すみませんでした。
高橋
本日はどうもありがとうございました。



編集後記
鍵山さんに私がお会いしたがっていたような話でしたが、実は越智社長のご好意をありがたく頂戴したのです。 サムライ育成の勉強になるからと、鍵山さん講述録を送ってくださいました。そして、お会いすることになっ たので是非同席してお話を聞いておきなさい、とお誘いいただいたのです。社長ありがとうございます。

お二人は時代を斬りまくって下さいました。が、歯に衣着せぬ発言で具体名が飛び交っていました。 ここでは一般的表現に修正しています。ご了承ください。さすがに書けません (^_^;)

遠きを図るという表現がピッタリのお二人です。短い時間でしたが大変得るものが大きかったのです。 遠きを図る = 行くに径に由らず と解釈しています。

当日のお礼状をお送りしたところ、鍵山さんの著作「 掃除に学んだ人生の法則 」(致知出版社)を送ってくださいました。 これまた心に響きます。どうもありがとうございます。





意識調査結果




鍵山秀三郎さん(写真右)

自動車用品販売店を全国展開している株式会社イエローハットの創業者(現在は相談役)です。
創業時から近隣の清掃を続けて実に40年。地道に理解者を得て「日本を美しくする会」という組織が出来ました。 その下部組織「掃除に学ぶ会」が、日本全国だけでなく今では世界にも広がっています。


越智直正さん(写真左)

靴下専門店(靴下屋,ショセット)を全国展開しているタビオ株式会社の創業者であり現社長です。
靴下一筋でもうすぐ50年。価格競争には目もくれず、ひたすら履き心地の良さを追求されます。品質に対するこだわりが、 NHKにんげんドキュメントで取り上げられました。

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