1.背景
貞観政要に書かれている内容は、中国唐の皇帝太宗(たいそう)の時代のことです。
理想的な統治をした名君と言われています。
唐の初代皇帝李淵(りえん)の息子で、玄武門の変(兄弟を倒した)の後に第二代皇帝となりました。
いわゆる二世経営者として読んでみると、分かりやすいと思います。創業の後の維持の時代ということです。
諫臣(諫言する臣下)である魏徴(ぎちょう)や房玄齢(ぼうげんれい)と、太宗とのやり取りが書かれた書です。
太宗は自分の立場が良く分かっていたのだと思います。
維持することの大変さを理解し、自分の判断に誤りがないよう諫臣の言うことを聞き入れています。
(以下、要点のみの掲載となります)
2.大命題
「草創(そうそう)と守文(しゅぶん)と孰(いず)れが難き」
草創とは創業、守文とは守成(維持)。
「創業時とその後の維持し続ける時と、どちらが大変であろうか」ということです。
維持し続ける方が難しいと言われています。「創業は易く守成は難し」と辞書にも載っていますので、調べてみてください。
これは経営者の視点で言われているのだと思います。
3.耳を傾ける
何かの権限をもつと人間はどうしても情報遮断の状態になるか、一方向の情報しか来なくなってしまう。
こうなってはいけないと分かっていたので、太宗は諫臣の言葉をよく聞き取り入れたのです。
これが兼聴ということです。
4.両極を見る
貞観政要には、守成時統制のための心構えが「十思」「九徳」として掲げられています。
物事の表裏や両極を見ることによって、初めてあるべき姿を理解することが出来る。そんなことを言いたいのだと思います。
偏った認識で物事を決して捉えるな、行き過ぎるなと。
5.部下の姿
(1) べからず集
貞観政要には人物評価法として「六正・六邪」ということが書かれています。
人を登用するに当たり、どんな点に注意して決定すべきかという内容です。
「六邪」は評価される側の"べからず集"として、反面教師にして読んでみると面白いでしょう。
(2) 諫言を受ける
また、太宗は臣下にこう言っています。
「公等(こうら)も須(すべか)らく諫語(かんご)を受くべし。もし諫を受くる能(あた)わずんば、いずくんぞよく人を諫めんや。」
(勿論あなたたちも人からの諫言を受けるようにすべきだ。もし諫言を受入れることができないならば、
どうして人を諫めることができるのか。)
(3) 魏徴に学ぶ
さて、名君太宗を支え続けたのが、諫臣の魏徴です。
貞観の治といわれる理想的統治が行われた時代。太宗と魏徴が居たのです。
「人生意気に感ず、功名(こうみょう)誰かまた論ぜん」(唐詩選)
(人生とは意気に感じて事をなすためもので、手柄や名誉などは問題ではない。)
参考文献:
日本経済新聞社出版局「帝王学―貞観政要の読み方」山本七平著
大原学園「名著に学ぶ 心の基礎力1」杉山厳海著
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